光のいろは

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屋外スポーツの照明

屋外スポーツの照明

スポーツが盛んになり、ナイター設備も充実してきた。

テレビ中継もさかんに行われるようになって明るさと演色性が照明設備の重要な要素となりメタルハライドランプが注目され使われるようになってきた。

ナイター設備のある競技場はどのくらいの明るさでグランドを照明しているのであろうか。

プロ野球では、ピッチャーズマウンドとバッターボックス、および内野が3,000lxで照明され、外野は1,500lx程度の明るさになっている。

サッカースタジアムの場合は、プロ野球球場より暗く500lx程度となっている。

テレビで見るとサッカー場は若干暗く見えるのもこれでうなずける。

しかしワールドサッカーが行われた新しいスタジアムではかなり明るい照明設備が導入され、高速度カメラを使った撮影でも十分にきれいな画像を提供していた。

2002年日本と韓国で行われたワールドサッカーは、最新のスタジアムがお目見えし、ピッチの芝生と選手のプレーをメタルハライドランプが鮮やかに写し出し色を添えた。

最新のスタジアムの照明では、従来使っていた大出力ランプをやめて小型ランプを多数配置して柔らかな配光を施す設計になっていた。

そのため選手がピッチに落とす陰が柔らかく、従来の4つの影を落としていた照明とは随分と趣が違い選手にとってもプレーしやすい照明設備となっていると思う。

スタジアムの照明設備は、プレーヤの視野に入らないように、また観客の視野に入らないように、そしてまたプレーヤの影を濃く落とさないように、複数の角度から、そして高い位置から照明するのが一般的である。

第17回冬季オリンピック(リメハンメル、ノルウェー)の開会式では北欧の夜を演出するために大型メタルハライドランプが活躍した。

1998年の長野オリンピックにもメタルハライドランプがたくさん使われた。

特にボブスレー競技場ではスタート地点のスタートハウス3カ所と、フィニッシュ後の計量棟に2.5kWランプ24灯、1.2kWランプ17灯、575Wランプ17灯が配置され、平均照度1,000lxが確保された。

また、コースにはスポット的に12kWの大出力ランプが配置された。

競技をサポートする照明設備にはかなりの電気(ボブスレー競技ではトータル約100kW、200Vで500Aの電源)が消費されていることがおわかりいただけると思う。