光のいろは

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HMIランプとは

HMIランプ

メタルハライドランプの別の言い方がHMIランプである。

メタルハライドランプの市販化は、OSRAM(オスラム:独)社によってなされ、OSRAM社ではこれをHMIランプと呼んでいる。

つまり、HMI はドイツOSRAM社の登録商標のランプであり、次の3つの頭文字を並べたものである。

  • H=水銀(Hydrargyrum)(ギリシャ語)
  • M=中くらいのアーク長(Medium Length Arc)
  • I=ヨウ素化合物添加(Iodide additives)

ちなみに、オランダのフィリップス社では同じメタルハライドランプをMSRランプ(Medium Source Rare Earth Lamps)と称して販売している。

一般的にHMIランプのほうが馴染みが深く一般名詞として使われている。

メタルハライドランプは、水銀灯の一種であるため交流点灯である。直流点灯はできない。

その理由は蛍光灯と同じ放電灯の負荷特性による(「なぜ蛍光灯は交流点灯なのか?」を参照)。

www.optlabo.work

そのため、メタルハライドランプは蛍光灯のようにフリッカが出やすい特性を持っている。

近年フリッカ(蛍光灯、交流放電灯に見られる発光のチラツキ)の出ない電源(バラスト)が開発されほとんどのランプがこれを採用している。

フリッカフリーバラストは、基本的には交流電源をランプに供給しているが、交流波形がサイン波ではなく矩形波になっているため放電が瞬時に切り替わり、見た目には(フォトダイオードで測定しても)連続点灯しているように見える。

また、メタルハライドランプは点灯に高圧を必要とし封入された金属が蒸気になるまで時間がかかる。

それに加え点灯後に再度点灯する際、安定化電源(バラスト)によっては再点灯に時間がかかるものがある。

メタルハライドランプは放電灯であるため放電ギャップを利用した応用(シュリーレン点光源や顕微鏡光源)が考えられるが、それほど普及を見ていない。

メタルハライドランプは、575Wから12kW程度までの大出力ランプがメインであったため、小型ランプにそれほどの力を入れて来なかったのが原因かもしれない。

しかし最近になって液晶プロジェクタ用のランプにメタルハライドランプの性能が注目されるようになったり自動車用ヘッドランプでも有効性が認められるようになり、35Wから250Wクラスの小型ランプが開発されるようになってきている。