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タングステン・ハロゲンランプ

タングステン・ハロゲンランプ

タングステン・ハロゲンランプは、タングステンランプの不活性封入ガスに微量のハロゲン元素(ヨウ素、臭素、塩素)を入れた発熱発光ランプである。

ハロゲン元素は高温で加熱され蒸発したタングステンを再びタングステンフィラメントに還元させ、結果的にフィラメントの蒸発を抑止する働きを持つ。

このハロゲンサイクル原理により、従来のガス入り電球に比べて小型のバルブ(石英ガラス管)にすることができ、フィラメント温度が同じであれば寿命を2倍に、同一寿命であれば効率を約15%高くすることができた。

また、寿命末期に至るまで光束の低下がほとんどなく輝度も高く、価格も比較的安価なため広い応用範囲に使用されている。

1970年代から1990年代にかけて自動車の室内安全実験用高速度カメラ光源として、安価なタングステン・ハロゲンランプが使われた。

自動車1台分を80,000lx程度で照射するため、1.5kWランプが132灯天井に配置された。

この照明装置の電源は198kWになる。

AC200Vの電源で990Aの電気を必要とした。

スタジオ照明として使われている2,000Wのライト(ARRI 2000)では、照射距離1m、照射エリアφ150mmで平均照度80,000lxを得ることができる。

タングステンランプ同様発熱が大きいため使用に際しては熱の考慮が必要である。

ハロゲン・タングステンランプは高輝度照明が必要な高速度カメラ用の安価な光源として広く使用されている。