光のいろは

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光度と輝度

光度と輝度

照度と輝度については前項でかなり深く論議してきた。

本記事では、自発光体の明るさを表す光度と輝度について述べてみようと思う。

太陽の明るさをいうときにどんな単位を用いればよいだろうか?

また100Wの裸電球の明るさをいうときにはどんな光の単位を用いればよいのだろうか?

光の量や明るさを表す際に一番よく使われるのは照度(ルクス)である。しかし照度という単位ですべての光の量を特定することは困難である。

テレビ画面の明るさを照度で表すのもかなり無理があるし、蛍光灯などの発光体自体を照度で表すのは苦しいものである。

しかし、照度と輝度の換算をしなければならないケースはよくあり、そうした際の換算の仕方は「照度と輝度」で述べている。

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こうした発光体自体の明るさをいう場合に、輝度(cd/m2)という単位を使う。

発光体が点のような小さな物の場合は光度(cd)という単位を使う。

つまり、発光体(反射体)で面を持ったものは輝度で表し、一点から出ているような光源の場合には光度で表す。

光度と輝度

光度と輝度

その使い方の違いは、はっきりとはしていないが、光源を見る距離が光源の大きさの10倍以上離れて見るときは点光源とみなしても大きな誤りはないとしている。

つまり、10cmの大きさの裸電球を1mの距離で見た場合には点光源として見ても良い、ということである。

しかし、テレビのブラウン管面は面の明るさが重要な性能であり、面自体は一様でなく暗い部分や明るい部分の階調が慎重に論議されるので、点光源と見なすわけにはいかず、輝度という尺度を用いることになる。

輝度は、基本的には完全拡散面からの光度を前提としている。

しかし実際にはそうした拡散面は希であるから輝度計を使って輝度(明るさ)を計ることになる。

輝度は、面をもった発光体や反射体での明るさを表すのに使われるため、ブラウン管の蛍光面輝度、プロジェクタのスクリーン輝度、LEDの表示灯の発光輝度、太陽、月の明るさを表す際に用いられる。

太陽や月はかなり遠いところにあるので、光度としてとらえることが多い。

光度は点光源の明るさを示すことから、灯台の明るさ、ろうそくの明るさ、水銀灯、キセノン管などのショートギャップの放電発光灯の明るさに使用される。

ただ、最近では光の量を光度で表しているケースはあまりなく、点光源の場合はルーメンという単位による光束で表されることが多いようである。

ルーメン表示で表しておけば照度換算にも輝度換算にも都合が良いからである。