燭(しょく)という単位
光の単位である「光度」の言い表し方である。
今は使われることのなくなった燭(しょく)というのはどういう単位なのであろうか?
燭という単位は、1877年イギリスで決められた光度の単位である。
イギリス人ハーコートによって考案され、ペンタン灯火を一定の条件のもとで燃焼させてその発光の水平方向の光度の1/10を1燭とした。
1燭という明るさを光度に直すと1.0067cd(カンデラ)に相当し、ほぼ、
1燭=1カンデラ
に等しいといえる。
この燭は、現代のカンデラが単位として採用されるまでイギリス、日本などで用いられていた。
5燭の電球は、5カンデラの光度を持った明るさの電球ということになる。
この電球の明かりの下では1mの位置で5ルクスの明るさが得られる換算になる。
この明るさでは新聞を読むのは骨がおれる。
ちなみに東京日比谷公園には、明治時代に作られたアーク灯(ガス灯に代わる明かりとして電気の放電を利用した灯り)が記念として保存されているが、このアーク灯は1,200燭の明るさがあったという。
地上高4mの鋳鉄製アーク灯は地上を100ルクス程度に照らし出したことであろう。
これは当時としては画期的な明るさであったに違いない。