標準の光
色温度を測るためには色温度計を用いれば事が足りるが、その色温度計の基準となる光源が標準光源と呼ばれるものである。
CIE(Commision International de l'Eclairage)という光を扱う委員会では、標準の光をA、B、C、Dという具合にクラス分けして標準の光を規定している。
Aは、2,856Kの完全放射体の光と規定し、これを実現する方法として2,856Kに近似するガス入りタングステンランプ(透明のバルブ)を使っている。
この規格は1968年に決められた。
Bは、4,874Kの光で、Cは6,774Kに相当する光である。
これは太陽の光に近似させたもので4,875Kは黄味がかった昼光、6,774Kは青味がかった昼光である。
これを実現するには、Aのランプに、成分の定められた溶液を使ったフィルタ(デビス・ギブソンフィルタBまたはC)を装着する。
標準の光D65は、色温度約6,504Kの昼光を代表する光で、自然の太陽光下での分光分布を統計的に調べて波長ごとの値が規定されている。
CIEは、Dの光について4,000Kから25,000Kまで任意の色温度について昼光の分光分布を数式で求める方法を完成して公開している。
D65はその中のひとつというわけである。
これらのことから、標準の光というものが、完全黒体放射という考え方から発して、太陽の光を機軸として標準化されていることがわかる。
太陽については他のページにて詳述するが(「太陽光」を参照)、光を扱う上で太陽光は大きな影響力をもっている。