光のいろは

光を基礎から知るブログ

量子としての光

量子としての光

そもそも光を「明るさ」という概念だけではなく、エネルギとして考えるようになったのは光によって電子が放出される光電子効果が発見されてからのことである。

光電効果はドイツ人物理学者ヘルツ(Heinrich Rudolf Herz 1857~1894)が、1887年にマクスウェルの唱えた電磁波理論の追従実験をしている中で発見されたものとされている。

ヘルツは、紫外線を使って電極を照射すると電極間のスパークがはるかに容易になることに着目し、紫外線を照射すると金属から電子が放出されるのを確かめた。

ヘルツはこの光電効果についてあまり深い追求をせず、1905年にアイシンシュタインが光電現象を法則化するまでそれほど大きな扱いはなされなかった。

光によって電気が起きる現象はセレンや硫化カドミウムのような金属でよく認められ、ゲルマニウムやシリコンでも見知されている。

現在はこの恩恵にあずかって、シリコンに光があたると電気を起こす性質を利用したシリコンフォトダイオードや、CCD、CMOS撮像素子などが開発され、映像分野になくてはならない原理となっている。

光電効果には、次に述べるふたつの大きな特徴がある。

ひとつは、金属から放出される光電子の数は光の強度に比例する、というも。

もうひとつは、電子の放出される速度(エネルギ)は、光の波長(振動数)のみに依存する、というものである。

前者は、光をたくさん当てればそれに比例した分だけ電子が飛び出すことを意味し、後者はどれだけたくさんの光をあてても電子が飛び出さない光があり、逆にエネルギの高い光子(たとえば紫外線、X線)ではほんのわずかの量でも電子を飛び出させる力を持つことを示している。