光のいろは

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ルミネセンス(Luminescence)とは

ルミネセンス(Luminescence)

熱放射以外によって光の発光をするものをルミネセンスという。

ルミネセンスは化学的、電気的な刺激によって発光が促される現象であり、日本語では「蛍光」とか「燐光」と呼んでいる。

蛍光と燐光の違いは、刺激による発光の継続時間によって使い分けられている。

比較的短い時間(10ns程度)の発光を蛍光と呼び、長いものを燐光と呼んでいる。

ルミネセンスの種類としては以下のものが挙げられる。

エレクトロルミネセンス

電界で刺激されて生じるルミネセンス。(発光ダイオード、ELランプ)

ホトルミネセンス

蛍光灯。光子(X線、紫外線、可視光線)で励起して生じるルミネセンス(タングステン酸カルシウム=CaWO4の紫外線蛍光発光、X線で燐光発光)。

熱ルミネセンス

物体を加熱させた場合、同温度の完全放射体より強い放射を生じる現象(酸化亜鉛=ZnO の青色発光、トリウムやセリウム酸化物の白色発光)。

焦ルミネセンス

いわゆる炎色反応。アルカリ金属、アルカリ土金属などの蒸発しやすい元素や塩基のガス炎での金属蒸気発光。

陰極線ルミネセンス

テレビ(ブラウン管)の蛍光面。陰極線による蛍光体の発光。

化学ルミネセンス

化学反応による発光。黄りんの酸化発光。

生物ルミネセンス

ほたる、発光魚類、ほたるイカ、発光バクテリア(ほたる=ルシフェリン物質のルシフェラーゼ酵素の触媒で水と一緒に酸化して発光する現象)。

摩擦ルミネセンス

結晶を砕くとき結晶格子の破損のために生じるルミネセンス(氷砂糖の粉砕時青白い発光、火打ち石の発光)。

 

これらの発光は熱を伴わないため効率の良い光を得ることができる。

しかし残念ながら、これらのルミネセンスは総じて暗く、表示灯としての位置づけが強く高輝度の照明装置になるまでには至っていない。